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<将棋>「勢いの3連覇」から14年 羽生、円熟の栄冠(毎日新聞)

 将棋界のスーパースターが臨機応変の指し回しを見せ、「研究は毎日10時間」といわれる挑戦者を圧倒した。第68期名人戦七番勝負(毎日新聞社、朝日新聞社主催、大和証券グループ協賛)は、羽生善治名人(39)が三浦弘行八段(36)に4連勝。20代半ばの「勢いの3連覇」から14年後、40歳手前で「円熟の3連覇」を果たした。

 福岡市中央区の九電城南クラブでの第4局(九州電力協力)。19日午前、三浦が好形を築き、控室では「後手優勢」の声があがった。だが、羽生は駒損しながらも、巧みな指し方で盛り返す。

 夜戦に入り、三浦は2三角(88手目)と自陣に角を放ち、先手玉を狙った。その後、7四歩(110手)と打ち、金をボロリと取る。しかし、羽生は上部が厚い形を生かし、決め手を与えない。

 前傾姿勢で読みふける羽生。時折、両手で頭を抱えて、うめき声を漏らす三浦。羽生は徐々に三浦を追い詰めていく。攻防ともに見込みのなくなった三浦が、ついに「負けました」と投了を告げた。羽生は無言でうなずく。顔は青白く、こわばったままだ。

 羽生は3月、久保利明棋王(34)に王将を奪われ、3冠に後退。これで久保2冠、渡辺明竜王(26)、深浦康市王位(38)と、羽生より若い棋士が7タイトルの過半数を占めた。

 三浦も3歳年下。羽生は03年から10連勝していたとはいえ、くみしやすしとは思っていなかっただろう。96年、三浦に棋聖を奪われ、7冠独占状態を崩された因縁もある。

 第1~3局はいずれも、研究が物を言うとされる横歩取り。三浦の得意戦法だが、羽生はこれを避けなかった。苦しい局面を招いても、抜群の勝負術でひっくり返した。

 第4局も制して、タイトル獲得を計76期に伸ばした羽生。大山康晴十五世名人の最高記録80期まで、もうカウントダウン状態だ。

 6月からの棋聖防衛戦が100回目のタイトル戦登場となる。

 三浦は初の舞台で白星を挙げられず、対羽生戦は14連敗。だが、この経験で一回り大きくなるのではないか。【山村英樹、金沢盛栄】

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